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RUMORE:SARから電波発信源を検出・特定する次世代インテリジェンス技術

RUMOREとは

合成開口レーダー(SAR)画像に映り込む「干渉ノイズ」は、これまで除去すべき雑音として扱われてきました。しかし RUMORE は発想を逆転させ、そのノイズそのものから地上の電波発信源(RFエミッター)を検出・測位・識別する最先端ソリューションです。

RUMORE(Retrieving Useful Measures frOm Radar intErferences)は、SARデータに混入するRF電波干渉を活用して、地上の電波発信源の位置・種類・波形を自動的に抽出するシステムです。スイスの sarmap SA と NV5 Geospatial Solutions が共同開発しました。

SAR衛星が地表を観測する際、地上から発せられる各種レーダー電波が画像内に干渉ノイズ(RFI)として現れます。従来はこれをノイズとして除去していましたが、RUMOREはその干渉パターンを解析することで、発信源の精密な位置情報や波形特性を取得します。


処理の流れ

STEP 01  SAR画像の前処理・クリーニング
取得したSAR画像から基本的なノイズを除去し、RFI解析に最適な状態に整えます。

STEP 02  RFI(電波干渉)の検出
画像内に存在するRF干渉を自動的に検出します。

STEP 03  波形の特定
干渉パターンから発信源の電波波形を抽出・識別します。

STEP 04  RFエミッターの位置推定
複数の衛星データを組み合わせ、発信源の地理座標を高精度で推定します。

STEP 05  エミッタータイプの分類
抽出した波形をレーダーエミッターデータベース(REDB)と照合し、タイプを分類します。

STEP 06  RFエミッターの識別
分類結果から具体的なエミッター機種・システムを特定します。

STEP 07  グローバルマッピング
検出した発信源を地図上にプロットし、継続的なモニタリングを可能にします。

 

図1: Sentinel-1強度画像に見られる、干渉ノイズ(RFI)


主な機能・特長

▶  検出と測位  SAR画像内のRFエミッターを正確に検出し、その位置を特定します。複数の周波数帯データを組み合わせることで測位精度をさらに向上させます。

▶  波形識別  抽出した波形をレーダーエミッターデータベースと照合し、特定の送信機タイプを分類・識別します。

▶  リアルタイム監視  新興の脅威や機会に迅速に対応するため、レーダーシステムをリアルタイムで監視します。

▶  過去データの分析  レーダー展開履歴やシステムアップグレードを追跡し、長期的なトレンドと戦略的な変化を把握します。

▶  パッシブSAR対応  アクティブSARだけでなく、パッシブSARデータにも対応。衛星の観測品質を低下させることなく全世界のRFエミッターを継続監視できます。

 

図2:提供サービスのイメージ(www.sardetection.com より)


対応SARシステム

RUMOREはC、X、L、P、Kaのすべての主要SARバンドに対応しています。動作確認済みプラットフォームには以下が含まれます。また、宇宙機搭載(スペースボーン)SAR・航空機搭載(エアボーン)SAR・パッシブSARのいずれにも対応し、様々な観測プラットフォームに柔軟に展開できます。

  • ALOS PALSAR(Lバンド)
  • Sentinel-1(Cバンド)
  • Capella(Xバンド)
  • COSMO-SkyMed(Xバンド)

主な活用シーン

◆  防衛・軍事
敵対国のレーダー移動や防空システムのアップグレードを監視し、先制的な対抗措置を支援します。

◆  情報機関
過去のレーダーシステムトレンドを分析し、戦略的計画や状況認識の向上に役立てます。

◆  政府・安全保障機関
国境を越えるレーダーシステムの展開・移動を把握し、国家安全保障を確保します。

◆  民間企業・SAR衛星事業者
航空宇宙、通信、インフラプロジェクトにおけるレーダーシステム関連の独自インサイトを提供します。


開発について

RUMOREは、スイスの高度技術企業 sarmap SA(1998年設立・スペースボーン/エアボーンSARアルゴリズム開発専門)と、NV5 Inc. 傘下の NV5 Geospatial Solutions(25年以上にわたる高性能地理空間データ処理・解析ソリューションの提供実績)との共同プロジェクトです。


まとめ​

RUMOREは「SAR干渉ノイズ=除去対象」という従来の常識を覆し、ノイズから積極的にインテリジェンスを抽出するパラダイムシフトを実現しました。防衛・インテリジェンス・インフラ監視まで幅広い分野での活用が期待される次世代の地球観測ソリューションです。

 

参考・詳細情報: 本記事は www.sardetection.com をもとに作成しました.

Tags:RFI