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License Server 4.1に関する不具合報告と回避策について

Next Generation License Server 4.1について、ライセンスに関する不具合が報告されました。

本記事の対象者

以下の3つの条件すべてを満たす方が対象です。

  • フローティングライセンスで製品を利用しており、管理ソフトウェア Next Generation License Server のバージョンは 4.1 を利用している
  • 同じ端末に、ENVI/IDLがインストールされている(サーバ機とクライアント端末とが同じ端末になることがある)
  • この端末でENVI 5.7/IDL8.9以前のバージョンから、ENVI6.0/IDL9.0以降へのアップグレードを行っている(またはその予定がある)

SARscapeオプションのライセンスはフローティングライセンスでのみ認証ができます。
そのため、現在ENVI5.7/SARscape5.7以前の組み合わせでご利用中のお客様が、ENVI6.1/SARscape6.1に更新する際には、この問題が発生する可能性があります。


概要

2024年6月から稼働している現状のライセンスシステムでは、フローティングライセンスの管理に Next Generation License Server というソフトウェアを利用しています。このリリース当時のバージョンは 4.1 です。

このバージョンを利用している一部のお客様において、認証しているフローティングライセンスが急に認識できなくなったという不具合が報告されました。この不具合は、ENVI/IDLおよびNext Generation License Serverのインストールフォルダおよび設定されている環境変数に由来したものです。

ライセンス認証が正常に行われた端末では、ライセンスファイルが適当なフォルダ内に作成されます。
そして、異なるバージョンのENVI/IDLが、同じライセンスファイルを参照して起動できるようにするため、ENVI 5.7/IDL8.9以前のバージョンから、ENVI6.0/IDL9.0以降のバージョンへのアップグレードが行われた端末では、必要な環境変数が設定されています。
この環境変数の存在によって、一部のお客様の環境で、同じ端末上にあるNext Generation License Serverの参照するライセンスファイルが意図しないものに変更される問題が確認されました。


回避策

2025年2月時点での最新版であるNext Generation License Server 4.3に更新することで、この問題の発生リスクは解消されます。

今後ENVI/IDLをアップグレードする際に、Next Generation License Serverのみを継続して4.1のまま利用すると、上述した問題が発生する可能性があります。そのため、将来的なアップグレードのタイミングか、適当な時点でのNext Generation License Serverの更新を推奨します。

ENVI5.7/SARscape5.7の組み合わせで利用いただいているお客様の場合は、利用しているNext Generation License Serverのバージョンをアップグレード前に必ずご確認ください。そして、アップグレードの際には併せてNext Generation License Serverを更新いただくようお願い致します。

なお、利用OS等の関係でこのアップグレードができない環境を想定して、本不具合の修正パッチが本社より提供されています。ご要望のお客様につきましては、お手数ですが、弊社テクニカルサポートまでお問い合わせください。


ソフトウェア更新手順: Windowsの場合

  1. 以下のファイルをデスクトップ等の適当な場所にコピーして退避します。
    C:\Program Files\Harris\license_server\license\license.dat
  2. Windowsの[コントロールパネル]ウィンドウで[サービス]を選択します。 または[管理ツール]-[サービス]を選択します。
  3. [MongoDB Server]、[L3harris Geospatial License Server]の順にサービスを停止します。
  4. Windowsの[コントロールパネル]ウィンドウで [プログラム] - [プログラムと機能]にアクセスし、[L3Harris Geospatial License Server 4.1] - [Node.js] - [MonogoDB 5.0.15 2008R2Puls SSL(64bit)]の順にプログラムを削除します。(インストール日等でソートし、同日にインストールされているこれらをご確認ください)
  5. 以下のフォルダを削除または適当な別ディレクトリに丸ごと退避します。
    C:\Program Files\Harris\license_server
  6. 製品ダウンロードサイトから入手した Next Generation License Server 4.3 を管理者権限でインストールします
  7. 退避していた license.dat を以下の場所に移動します。
    C:\Program Files\NV5\license_server\license\license.dat
  8. 以下のツールを右クリックし、管理者権限で起動します。
    C:\Program Files\NV5\license_server\bin\license_administrator.exe
  9. View Licenseボタンを押下し、認証していたフローティングライセンス一式が表示されていることを確認します。

ソフトウェア更新手順: Linuxの場合(管理者権限で行います)

Linuxの場合には、Windowsと異なり、アップグレードの過程で古いMongoDBなども置き換わります。そのため、Windowsの時に行った明示的なアンインストール操作は必要ありません。

  1. 以下のファイルをログインユーザホーム等の適当な場所にコピーして退避します。
    cp /usr/local/harris/license_server/license/license.dat ~
  2. 製品ダウンロードサイトから入手した Next Generation License Server 4.3 を管理者権限でインストールします。
    gunzip setup-license_serverxx-linux.tgz
    tar -xf setup-license_serverxx-linux.tar

    cd license_server43

    ./install_linux.sh
  3. 以下の場所にライセンスファイル license.dat が存在するか確認し、存在しない場合には退避したもので置き換えます。
    ls /usr/local/nv5/license_server/license/
  4. 以下のツールを管理者権限で起動します。
    cd /usr/local/nv5/license_server/bin
    ./license_administrator.sh
  5. View Licenseボタンを押下し、認証していたフローティングライセンス一式が表示されていることを確認します。
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