衛星SARで地球を観測する場合、地物の状態に変化があると、人工衛星への反射強度(後方散乱)に変化が生じる可能性が高まります。例えば、豪雨や地震による地すべりなどで、森林エリアが裸地になった場合は、以前に比べ反射強度が弱まり、また平らな部分に倒木や土砂などが堆積した場合には、逆に反射強度が強まる傾向になると言われています。
本手順書では、発災前・発災後の2時期のSARデータから、それぞれの強度画像を作成し、以下2つの解析手法を用いて、早期被災地推定への活用が期待できる解析データ作成の操作手順を紹介します。
・二時期のSAR 強度画像を用いたカラー合成表示による被災エリア推定
・ENVI の差分抽出機能を用いた二時期の反射強度変化エリアの抽出
・SARscape 地すべり・土砂堆積 被災エリア推定 操作手順書 (SARscape5.5まで)
・SARscape 地すべり・土砂堆積 被災エリア推定 操作手順書 (SARscape5.6.2)
・SARscape 地すべり・土砂堆積 被災エリア推定 操作手順書 (SARscape5.7)
尚、今回の手順書では、地すべりや土砂堆積災害を対象として記載していますが、強度画像変化抽出の手法は、他の災害の初期対応などにも利用できる可能性があります。
・豪雨による浸水被災エリア推定
・地震による地盤変動エリア推定
・津波による浸水被災エリア推定
・上記を含めた土地被覆変化推定全般
是非、皆さまの業務や研究活動にお役立てください。