OpenStreetMapデータを使用した、ENVI画像解析機能の強化(翻訳記事)
ENVIにOpenStreetMap(OSM)ベクタデータをダウンロードして追加することで、ユーザはデータに属性を追加できるため、画像解析をより簡易的に強化することができます。このデータにより、さまざまな種類のベクタデータセットを表示することができます。OSMは世界で最大の無料ベクタデータセットを提供しており、ユーザは迅速にベクタデータを表示および編集できます。OSMは、多くの画像解析プロジェクトを補完することができます。その多くの用途の中で、人工構造物の異なる属性を表示することができ、オルソ画像の精度を測定するための基準レイヤとして使用することができます。
OSMデータセットを利用するユニークな方法の1つは、水域のベクタレイヤを使用して画像内の水域を簡単にマスクできることです。Eduardo Iturrate(Harris Geospatial Solutionsの開発者)は、ENVI モデラ―を使用して、コロラド州ボルダーのQuickBird画像の水域をマスクする簡単なモデルを作成しました(下図参照)。このモデルは、ラスタ画像から解析範囲を抽出し、範囲内のOSMデータをダウンロードし、OSMデータから特定の水域レイヤを抽出し、そのレイヤを用いて画像をマスクします。
図:OSMデータで水域をマスクした例
ENVIモデラを使うと、コードを書くことなくバッチ処理やカスタム画像処理ワークフローを簡単に作成できます。QuickBirdの画像(下)で水域をマスクするために作成されたモデルは繰り返し実行できるので、同様の方法でデータを分析しようとするユーザの時間を節約することが可能です。
図:ENVIモデラを使用して、OSMデータを利用したワークフローを作成した例
OSMデータサポートのもう1つの利点は、ベクタシンボルを編集する機能です。フィーチャのシンボルを編集するには、レイヤーマネージャのレイヤ名をダブルクリックして [Property] を選択し、[Vector Property] ダイアログを選択してフィーチャの色、サイズ、スタイルを変更します。[Vector Property] ダイアログの [Attriute] ドロップダウンリストを使用して、二次フィーチャを編集することもできます。これを行うには、[Attribute] リストから属性を選択し、必要に応じてプロパティを変更します。OSMベクタの記号を変更すると、解析結果に属性情報が加わり、マップ出力の視覚化に役立ちます。
図:属性情報の表示の編集例
OSMデータをすばやく追加および編集する機能は、ENVIでさまざまな高解像度ベクタレイヤを必要とする人にとって有益です。OSMデータを容易に利用できるようにすることで、画像解析ワークフローの全体的な製品を強化することができます。ENVIにおけるOSMデータの利用方法の詳細は、ドキュメントセンターをご覧ください。
原文:https://www.nv5geospatialsoftware.com/Learn/Blogs/Blog-Details/ArtMID/10198/ArticleID/23552/Using-OpenStreetMap-Data-to-Enhance-Image-Analysis-in-ENVI